貧血の薬膳とおすすめの食事 中医学的に4つのタイプ別にまとめました
[ふきだし set="考える1"]最近疲れやすくて体力がもたない。全然食欲もないし、どうしても仕事がしんどくて病院に行ったら貧血という診断[/ふきだし]
[ふきだし set="まほ1"]貧血って食生活が原因みたいだけどどんな食事が良いの? こういった疑問に答えます。[/ふきだし]
西洋医学ではほとんど鉄欠乏性貧血です。
貧血のなかで一番多いのが鉄欠乏性貧血です。
鉄欠乏性貧血とは血液に含まれる赤血球のヘモグロビンに含まれる鉄の量が減少し、赤血球の役割である酸素の運搬が充分にできなることです。それにより頭痛、めまい、立ちくらみなどの症状がでます。
そのため、栄養学では赤血球のヘモグロビンを増やすために鉄を多く含む食事が推奨されています。また、鉄の吸収に関与するビタミンC、ヘモグロビン合成に関与する銅や核酸の合成に関わる葉酸も同時に摂取することが望ましいです。
東洋医学では様々な臓器が関わり貧血を起こします。
西洋医学で言う鉄欠乏性貧血は中医学では血虚と言われる症状です。 血虚とは体の血が不足している状態のこと。中医学ではこの血虚は様々な臓器が関わり起こっています。
あなたが弱っている臓器によって血虚の症状の出方が変わります。まずはあなたの弱っている臓器を特定し、そこを治療していくことで血の作られやすい体をつくるという根本治療ができるのです。
あなたは下の①~④のタイプのうち、貧血の症状や体の状態から自分にはどれがあてはまりそうですか?一番当てはまると思うタイプの養生を実践してみてください。
タイプ① 脾気虚タイプ
- 疲れやすい
- だる重い
- 浮腫む
- いつも眠い
- 胃腸が弱い
- お腹の膨満感がある
- 老化を感じる
このタイプが日本人には一番多い
五臓の脾は胃に入った食べ物を消化して血を生み出す臓器です。
この脾が弱ることで血を生み出すことができなくなるので貧血となります
山芋、ジャガイモ、キャベツ、大葉、ねぎ、ブロッコリー、ひらたけ、マッシュルーム、うるち米、赤米、はとむぎ、にんじん、白菜、なつめ、りんごなど
タイプ② 心気虚タイプ
- 顔が青白く血の気がない
- 夜寝付けない
- 眠りが浅い
- 物忘れが多くなった
- 顔色が悪い人
心は血を作り、血流を司る臓器です。心が弱ると血を作り出せないので貧血になります。
心は精神活動や意識を指す神も司ると言われているので、心の血が足りなくなることにより精神障害や意識障害も出やすくなります。不眠や記憶力の低下、集中力の低下も合わせて発症します。
人参、ほうれん草、竜眼肉、ブドウ、ライチ、レバー、いか、牡蠣、すずき、なまこなど
タイプ③ 肝血虚タイプ
- 筋がぴくぴくする
- 足がつる
- 視力低下
- 目のかすみ
- 生理不順やイライラが起こる
五臓の肝には必要な血を溜めておく池のような役割があります。肝が弱り、肝の池に溜めている血が不足することで貧血になります。
小松菜、ほうれん草、人参、落花生、牡蠣、木耳、ひじき、パセリ、ぶり、まぐろ、レバー黒ゴマ、ライチ、松の実など
タイプ④ 腎血虚タイプ
- 足腰が痛い
- のぼりや火照りが起こる
- 無月経
- 更年期障害
- 老化を感じる
- 乾燥する
体の血虚が進行すると現れる症状が腎陰虚です。腎陰虚とは五臓のうちに腎に必要な血と血以外の体液の両方を失った状態のこと。
体がカラカラに乾いた砂漠のような状態になるので、体液で自分の体温を冷やすことができず火照りやのぼせがでやすくなり、更年期症状のような症状がでます。
栗、牡蠣、あわび、黒ゴマ、ほたて、いか、いちご、豚肉、カモ肉、りんご、モロヘイヤ、さより、すっぽん、なまこなど
全てのタイプの貧血で実践すべき食事
①とにかくお腹を冷やさない!
冷えは脾を弱らせ消化吸収を悪くしてしまいます。
暖かいスープやお粥、鍋物が脾にも優しく、消化吸収に良いのでおすすめです。
②鉄分摂取の補血食材で血を増やす
貧血は血虚が原因なので補血食材は毎日に摂取するようにしましょう。 補血食材は鉄分を多く含むものが多く、栄養学からみてもおすすめです。
補血食材は牛肉、豚肉、鶏肉などの肉類。ニンジン、ナツメ、クコの実、トマトなどの赤い食材、ほうれん草、パセリ、よもぎ、小松菜など緑の濃い葉野菜などです。
最後に 貧血の原因は普段の食生活を正しくすることで改善できます。 まずはできるところから、無理せず続けることが大切です